●四季の民話『まんまん昔の花咲いた』春の巻『しょうべえと鬼』(高知県)
再話:福原登美子/語り:右手和子
昔ある所にしょうべえという爺さんが、婆さんと娘と暮らしていた。
その頃、日照りが続き、お百姓さんは皆困っていた。
ある日しょうべえがため息をつきながら空を仰いでいると、後ろに大きな鬼が立っていて―。
『見るなの座敷』(大阪府)
再話:中村とも子/語り:松井菜桜子
昔ある所に爺と婆が住んでいた。
ある日、爺が山で木を切ろうとすると、木の上でウグイスがいい声で鳴いたので切るのを止めた。
あくる日、爺がその木を切ろうとしたら、そこにきれいな娘が現れて―。
『花咲か爺』(青森県)
再話:六渡邦昭/語り:たてかべ和也
昔ある所に貧乏な正直爺と婆が二人で暮らしていた。
畑の向こう隣にはやっかみ爺と婆がこれも2人で暮らしていた。
ある時、正直爺が川へジャコとりに行くため網を持って歩いていたら、やっかみ婆がそれを見ていて―。
『太郎のすすけ人形』(岩手県)
再話:中村とも子/語り:たてかべ和也
昔々、大きな長者殿の家に太郎、次郎、三郎という三人兄弟がいた。
次郎と三郎はいつも太郎をバカにしていた。
ある日、お父が「今日は山行って薪とってこい」と言いつけるので、三人は一緒に山へ出かけるのだか―。
●四季の民話『まんまん昔の花咲いた』夏の巻『兎の耳と目としっぽ』(群馬県)
再話:六渡邦昭/語り:松井菜桜子
昔々、ある山に母兎と子兎が住んでいた。
その頃の兎は耳は短く、目は黒く、しっぽは長かった。
ある日、子兎が一人で留守番をすることに。
「絶対に家の外へは出てはいけませんよ」と母兎に言われた子兎だったが―。
『かっぱの雨ごい』(栃木県)
再話:六渡邦昭/語り:右手和子
昔ある村に1人の和尚さんがいた。
ある日、法事の帰りに川べりの道を歩いてきたら、「和尚さん、どこの帰りだ」という声がした。辺りを見回したが人の姿はない。
その頃、この村の川にはかっぱが住んでいて―。
『天人女房』(山形県)
再話:福原登美子/語り:右手和子
昔ある所に1人の牛飼いが暮らしていた。
ある日、牛飼いが浜辺に行くと、どこからともなくいい匂いがしてきた。
牛飼いが「ほほう、不思議な香りがあるものだ」と鼻をヒクヒクさせて匂いのする方を見ると―。
『天道さんの金のくさり』(長崎県)
再話:中村とも子/語り:たてかべ和也
昔ある所にお母さんと3人の子供が住んでいた。
お母さんは毎日山仕事に出かけていた。
ある晩のこと、お母さんの帰りがあまりに遅いので、子供たちは先に寝床に入っていた。しばらくしてお母さんが帰ってきたら―。
●四季の民話『まんまん昔の花咲いた』秋の巻『船幽霊』(千葉県)
再話:六渡邦昭/語り:たてかべ和也
昔ある年のお盆の夜のこと、一艘の船が漁に出かけて行った。
その晩は風も静かで、空にも海にも星が輝き、まるで池みたいな凪だった。
沖へ出て、手繰り網を流すといつもよりたくさんの魚がかかってくるのだが―。
『腰折れ雀』(兵庫県)
再話:池田宏/語り:右手和子
昔ある所に心の優しいお婆さんが一人で暮らしていた。
隣には欲深い婆さんがやはり一人で住んでいた。
あるお天気の日、優しいお婆さんが縁側で豆選りをしていると、庭先で雀がしきりに鳴いていた―。
『粟福米福』(福島県)
再話:中村とも子/語り: 松井菜桜子
昔々、粟福と米福という子供がいた。
粟福は先のおっかさんの子供、米福は今のおっかさんの子供。
あるとき、おっかさんが二人に「山で栗拾ってこい」と言いつけると、二人は山へ出かけるのだが―。
『猿と蛙の寄りあい田』(群馬県)
再話:福原登美子/語り:右手和子
昔々、猿と蛙が住んでいた。
ある日、市がたって二人で市を見物に行った帰り、稲の穂を拾った。
蛙が「これを田んぼにまこう」と言うと、猿は「米ができたら餅をついて食べよう」と言った。二人は喜んで帰ると―。
●四季の民話『まんまん昔の花咲いた』冬の巻『おふだ三枚』(秋田県)
再話:福原登美子/語り:たてかべ和也
昔々、古いお寺にとても知恵のある和尚さんが住んでいた。
ある日、小僧がばっけ(ふきのとう)を採りに行くことに。
そこにはやまんば出るからと、小僧は魔除けのお札三枚を持たされて出かけていくのだが―。
『盗人かか』(新潟県)
再話:中村とも子/語り:松井菜桜子
昔、ある男が婿に入った。
そこのかかは器量良しだが、人の物を盗む泥棒の女と言われていた。
かかは最初のうちは婿さんを立てて、酒を飲ませたり、御馳走を食べさせたりして尽くしていたのだが―。
『大歳の火』(山梨県)
再話:池田宏/語り:右手和子
昔々、山奥の貧しい一軒家に働き者の嫁さんがいた。
よく働く嫁さんで、気難しい姑さんにも良く仕えていた。
ある年の大晦日のこと、囲炉裏端で火の番をしていた嫁さんが、いつの間にかうとうととし始めて―。
『ゆめみこぞう』(宮城県)
再話:六渡邦昭/語り:松井菜桜子
昔ある所に一郎、二郎、三郎という兄弟がいた。
正月元旦に一郎が「夢合わせをするぞ。
どんな夢を見たか語りっこだ」と言い、二郎と三郎もうなずいてその晩は三人とも寝た。目が覚めて夢合わせが始まると―。
【キャスト】
語り:右手和子/たてかべ和也/松井菜桜子
【スタッフ】
監修:飯倉照平(東京都立大学名誉教授)
再話:六渡邦昭/中村とも子/福原登美子/池田宏
【仕様】
ディスク枚数:4枚組
本編:春46分+夏29分+秋31分+冬38分
カラー/スタンダード/各・片面1層
字幕:1.日本語字幕
音声:1.日本語〈リニアPCM・ステレオ〉
販売元:マクザム